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ほぼ日手帳2006宣伝小説~高校編~
キーンコーンカーンコーン。キーンコーンカーンコーン。
ざわざわざわざわ。終わらないおしゃべりでチャイムの音も気にならない。
ガラー。教室のドアが開く。
慌てて机から教科書を出す。
「教科書出さなくてもいいぞぉ。今日の現文の授業は違うことするから」
一瞬生徒が「?」と固まったのを見て、先生は、
「あ、漢字テストも今日はしません。」
生徒の「?」が消え、明るさが戻った。
「おっしゃ!ラッキ!」
「よかった~。うち何もしてなかったに」
その間に先生は、黒板にいつもより大きめの文字で「手帳」と書いた。
それに気づいた生徒たちはまたハテナを浮かべた。

「これ何て読むか分かるよな?」
「『てちょう』やろ!先生、漢字テストせんっち言ったやん!」
「そんぐらい俺でも分かるわ~」
ざわざわ。また明るさを取り戻す教室。
「今日はみんなに手帳について話したいと思います。先生はこの間、来年の手帳を買いました。
『ほぼ日手帳2006』って言ってな」
先生は、銀色の手帳を手に持ち、見せる。
文庫本ぐらいの大きさかと、読書好きの女の子は思った。
結構分厚いなと、サッカー部の男の子は思った。
先生は手帳を開き、指でページをさらーっとめくった。
黒板に近い生徒の目には、何も書かれていない真っ白なページとカラフルなグラデーションが写った。

「こっち側から回すから、見たら後ろの人に渡してくれ。」
先生はクラス全体を見渡しながら、窓際の角に座る男の子に手渡した。
「はい、じゃぁこの手帳いくらしたか、分かる人~?」
角の男の子は値段を探そうと、手帳の後ろをめくったが、載っていなかった。
「1000円!」「1500円」「1980円!」「百均!!」
「百均は、安すぎだろう!正解は手帳本体とカバーのセットで3500円です。」
「うそー!」「たけー」「これ、そんなにするん?」・・・ざわざわ。
「みんなはまだ高校生で手帳はプリクラ用ぐらいしか持たないかもしれないけど、まぁ普通のよりは高めだな。」
「先生、金持ちやな」「そら大人やもん」
手帳の行方はまだ縦一列と半分回ったところだ。生徒はぱらぱらと、時折じっくりと見ている。

先生は二列目の前まで手帳が回ってきたときに、その生徒に聞いてみた。
「その手帳で何か気づいたことはあるか?」
女子の中で一番背の高い女の子ははっきりとした声で
「1日に1ページ書けるようになってます。普通のはもっと1日分のスペースが小さくて、手帳全体も薄くて小さい。」
「うんうん、他には?」
二列目の真ん中あたりの男の子が茶化すように言う。
「先生の奥さんの誕生日に印があったー!」「あと、結婚記念日もあったー!」「うそー、いつー?」・・・ざわざわ。
「あ、あと。」まん前の背の高い女の子が手帳を見ながら
「毎日のページの下に、いろんな言葉がある。」
先生は満足そうにうなずきながら、女の子から手帳を取り、適当なページを開き、声に出した。

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6月13日(火)
自分の価値体系の中には、
「まわりの人がよろこぶ」とか、
「まわりの人がしあわせそうな顔をする」
とかいうことが、すごい上位にあるんですよ。
<任天堂社長・岩田聡さんが「社長に学べ!」の中で>
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教室を見渡す。「あぁあぁ」と口を開け分かったようにうなずく生徒。「あぁ?」と眉を平行にする生徒。
現文の先生は、みんな分かるだろうと思っていたが、一度閉じた手帳をまたパカっと開く。
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9月23日(土)
人の心を動かせる人が、
状況を動かしていく。
<「大人の小論文教室。」より>
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生徒の口が「あぁ」から「おぉ」に変わった。
「それ、俺のことやん!」「おまえのは、空回りじゃ」笑いが響く。
先生はにやっとした口を手帳に向けた。
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6月7日(水)
近所のドラッグストアのアルバイト募集のポスターには
「ドラッグ経験者優遇」と書かれていました。
<「言いまつがい」より>
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「ふふっ」「それウケるなぁ」「やべぇし」
「さて、このくらいでいいか」先生は手帳を三列目の一番前の生徒に手渡す。

「はい、この手帳は、1日1ページの作りになってて、書き込めるスペースが広いです。
その日の予定だけでなく、気づいたことのメモとか、今日したこと、食べたものとか何でも自由に書けます。ギャグのネタを書いておけば、スケジュールを確認するフリをしながら、ネタを仕入れることもできるぞ。」
「それいいかも」
「そのうえ、毎日365日分さっき少し紹介したように、有名人の名言やおもしろい言葉が載っています。365ページの本を持っているようなものです。」
先生の言葉をさえぎって、生徒の中から「お!世界の『おいしい』っち載っちょんぞ!」
隣の男の子に、「『アロイ』っちどこの国のおいしいっち言葉か知っちょん?」
「ハワイやろ!『アロイオエ~』」とフラダンスのように手で波を作りながら答える。
「アホかおまえ!タイじゃ、タイ!ハワイはアメリカやろぉが!」「オエーって逆にまずそうやわ!!」
両隣からツッコミをくらった男の子は赤くなったが、これはこれでオイシイことを知っている。
笑いが収まりかけたところで、先生は言った。

「面白いだろ?この手帳。そんな感じで使い勝手も良い、なにしろ10万人がこの手帳を使って、その感想を元に次の年にはさらに進化した手帳に作りかえられるんだからな。そのうえ面白いこの手帳を先生はとても気に入っているわけだ、が、今日先生が言いたいのはこの手帳のことだけじゃない。」
生徒の視線が集まる。教室を見渡し、それを受けた先生の目はまっすぐに、一人一人の視線に言葉を返した。

「早いもので今年ももう12月になりました。一年が過ぎるのはあっという間です。一年は365回の1日の積み重ね。その1日もあっという間に過ぎて気づいたら、何をしたのか分からずに過ぎることもあります。
一生ってよく考えたら、1日1日でできているんです。みんな来年の春には、社会人や大学生になります。高校と違って、今まで以上に自分で考え、行動すること、予定や責任などの自己管理が必要となります。
そのためにも、みんなの青春や成長の記録としても、手帳を持つことをお勧めします。毎日は同じことの繰り返しだという人もいるかもしれません。でも、機械のように正確な毎日じゃないし、人やモノとの出会いの、その時々でいろいろな気持ちが生まれます。
誕生日やお正月やクリスマスだけでなく、『なんでもない日おめでとう!』って思えるように、『なんでもない日おめでとう!』いい言葉ですね。どんな日でも365分の1ということには変わりはありませんから。みなさんには、これからの毎日の生活を楽しんで、自分だけの1日、そして一年の物語を作ってほしいです。」

キーンコーンカーンコーン。キーンコーンカーンコーン。
先生は頭上の時計を見ながら、照れくさそうに
「そういうことです。」と言った。
チャイムが鳴っても生徒たちはざわつかない。
先生は思い出したかのように、チョークを取り、慌てて黒板に書いた。

ほぼ日刊イトイ新聞 ほぼ日手帳2006
http://www.1101.com/store/techo/index.html

初めて見る現文の先生のアルファベットは筆記体に近かった。
「はい、じゃぁ、日直!」
「きりーつ、礼、ありがとうございました。」「ありがとうございました。」
いつもよりも心なしか大きい「ありがとうございました」を吸い込んで先生は教室を出た。
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2005-12-21 02:19 | +2愛 | Comment(0) | Trackback(0)
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